魚河岸シャツのルーツ・魚河岸ヴィンテージ
現在の魚河岸シャツのルーツ・「魚河岸ヴィンテージ」

今回のブログではテレビや新聞でも取り上げられて話題となった、魚河岸シャツのルーツの「魚河岸ヴィンテージ復刻」についてのお話をさせていただきます。

このサイトの「魚河岸シャツとは」のページでも詳しく記載してありますが、「魚河岸シャツ」という名前が定着したのは昭和50年代頃。
それまで焼津の浜通り付近で漁師や漁業関係者が日常的に着用していた、手ぬぐいを縫い合わせて仕立てたシャツは「手ぬぐい襦袢」と呼ばれていました。その頃のシャツは贈答品として家にあった手ぬぐい5枚をシャツにしたものなので、水産加工業の会社名や屋号の入った柄がメインでした。

この「魚河岸ヴィンテージ」は、焼津港が完成した頃(昭和20年代)に東京魚市場(現在の築地魚市場)から焼津に贈られた貴重な反物を、当時の雰囲気にできる限り近いカタチで再現して型を作り、晒の反物に染めてシャツに仕立てたものです。
焼津浜言葉を遺す会の会長であった長谷川寅吉さん(当時95歳)のご自宅で昔の焼津の話をお伺いしていた時に、押し入れの奥から出してきた昭和20年代の大柄の魚河岸文字を染めた反物を託されました。

大切そうに綺麗に紙に包まれたその反物は約70年という時を経て、とても時代と歴史を感じる反物になっていました。
寅吉さんはこの反物を仕立てたシャツを長年愛用していたため、魚河岸文字の入った日本最古のシャツとして「魚河岸ヴィンテージ」というカタチで復刻させていただきました。

「焼市」と書かれた文字は、達筆だった大正生まれの寅吉さんの直筆文字をそのままデータに起こして型を彫ったものです。
大正~昭和~平成~令和と歴史をつなぐ魚河岸シャツとして、令和の時代がスタートした5月1日に発表させていただきました。

この「魚河岸ヴィンテージ」復刻のストーリーは静岡新聞にも大きく掲載されたりテレビ局の取材を受けるなど、大きな反響がありました。
復刻の記念に焼津の秋のビッグイベント「オータムフェスト」の前夜祭として、「魚河岸シャツ祭り」も主催させていただきました。思い出の焼津旧港に飲食や雑貨・ワークショップ等のお店が出店、ミュージシャンが歌ったりDJが音楽をプレイする等、楽しい秋の一日になりました。
魚河岸シャツを着た市民がたくさん来場され、寅吉さんの挨拶と共に乾杯をしてイベントが盛り上がったのがすごくいい思い出です。
その様子もテレビの密着取材を受けたり静岡新聞や中日新聞等にも掲載されました。

寅吉さんが守り続けていた貴重な反物から生み出された「魚河岸ヴィンテージ」
これからも焼津魚河岸シャツの歴史を感じるシャツとして、大切に作り続けていきたいです。

☆魚河岸ヴィンテージは、濱いち屋のみで販売しています。

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